知らなかったなぁ。


学年一の人気者なのに、同じ電車だったことに気づかないなんて。


……私って鈍感なのかな。



「ふぁわぁあ〜」


「あくび?眠たいの?」


「んー、昨日遅くまでゲームしちゃっててさぁ」


「ダメだよ、ちゃんと寝ないと」


「母ちゃんみたいなこと言うんだな」



母ちゃんって!ひどいな!


これでもピッチピチな高校二年生なんだけど!



「それで、ラブレターはどうしたの?」


「んー、大事に保管してあるよ。渡すつもりないけど、なんか、捨てらんねぇー」


「そっか。よかったぁ」


「なんで?」



はっ!として口に出してたことに気づいた。


私って、こういうの、ホントに多い。


気づいたら口に出してたのとか。



「いや、えっと……ホントに感動したから、捨ててたらもったいないなぁーって思ってたんだよね!」