「清瀬くーん!」


「太陽!!負けんなっ!!」



その時。
清瀬くんに向けられた声があることに気づいた。


……同級生の女子たちの声だ。



「え、あの子可愛くない?」


「ほんとだぁ。2年?」



そしてそんな先輩たちの声まで聞こえてきた。


……やだ。


見ないで。誰も。


もう誰も、清瀬くんのこと、好きにならないで……!!



「……っ……」



くちびるを噛む。
そんな心の叫びは、誰にも届くはずなんてない。


そんな自分勝手な気持ち、叶うわけない。


清瀬くんみたいに魅力的な人を、独り占めできるわけがない。


こんなことを考えてしまう、私なんかが……っ。