「行こうか」 「うんっ」 少し背の高い清瀬くんのとなり。 近いけど、手と手は触れ合わない距離。 夕陽が私たちを見送るように、影を落としている。 となりにいる清瀬くんを盗み見ると不意に目が合ってそらした。 放課後のひみつの特訓。 ……心の中の、私のひみつ。 はじまったばかりの、私のひみつ。