まくっていた袖をなおして、ベンチに置いていたカバンを持つ。


……もう、帰らなきゃ。



「じゃあね、清瀬くん。また明日学校でね」


「なに言ってんの。駅までちゃんと送りますよー」


「えっ、いいよ!家すぐそこじゃん!」


「女の子ひとりで帰しませんよ」


「……ありがとう」



……こんなの、反則だ。


さっきは二の腕いじって来てたくせに。
今度はちゃんと女の子扱いしてくれるんだもん。


心は素直に喜んじゃうよ。


清瀬くんって、女の子の嬉しいポイントを自然とついちゃうんだろうなぁ。


だからモテるんだ。