本当に私は最低だ。
ベッドの上で突かれながら感じる。
こんなの結局いつもと同じ。
私に好意を持ってくれている稲瀬君を利用して、快楽に逃げてるだけ。
ギシギシと軋むベッドの上で稲瀬君は悦と快楽に顔を歪めている。
儚げなその姿に今更すぎる罪悪感を感じる。
こんな私でも、稲瀬君はまだ好きだって言ってくれるのかな。
汗で濡れたぐしゃぐしゃの髪を撫でた。
ねっとりとまとわりつくような感触。
なんの償いにもならないけど稲瀬君の唇に優しくキスをしようとした時、
玄関から異常な音がした。
バンバンバン、、バンバンバンバンバン
物凄い勢いでドアが叩きつけられている。
突き上げられるような震動が伝わってくる。
稲瀬君もこれには最中なことも忘れて、慌てて飛び上がった。
「ど、泥棒ですか!?」
玄関のドアから入り込む淀んだどす黒い空気に、完全にパニック状態。
乱暴に服を羽織って、廊下に飛び出した。
ガチャ、、、ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ
瞬間ドアノブが取れんばかりの勢いで暴れだす。
キコキコと悲鳴を上げながら奇怪な動きをとるそれは、なんとも不気味だ。
「せ、先輩、俺が何とかしますから隠れてて下さい!」
ほうきを持ち出して強く握りしめる稲瀬君の額からは、だらだらと汗が吹き出し、目は焦点を捉えていない。
明らかに虚勢としか思えなかった。
脆いドアを一枚挟んだ先から漂う殺意に似たような狂気。
わかってる。そこに誰が立っているかなんてわかってる。
・・・
コートのポケットからわざと電源を付けたままのスマホを取り出した。
おそらくGPS機能でこの場所を特定したのだろう。
私は一体なにをやってるんだろう。
逃げたいのに。死ぬほど憎いのに、
なぜか澪汰の元へ帰りたいと思ってしまう。
本気で別の誰かを好きになれたら_どんなに楽だろうか。
本当に狂っているのは私の方なのかもしれない。
「稲瀬君、おじゃましました。今日は楽しかったよ。怖い思いさせてごめんね。」
「え、せん…ぱい?」
私の落ち着いた声色に、困惑の表情を浮かべる稲瀬君。
私はかまわずコートを羽織って鍵を開けた。
ガチャ
重々しい空気を纏っていたドアは、不思議なほどすんなりと開いた。
「れい…」
パアアアン!!!
突然頬に激痛が走った。視界が白くなり揺れる。
目の前に迫るものが床だということを理解するのに、そんなに時間はかからなかった。
意識が薄れていく。
稲瀬くんの言葉になれない声が聞こえる。
頬からの熱はやがて全体に伝わり、瞼が重くなってゆく。
「ごめ…………さい」
微かな声が消えるとともに、私は意識を手放した。
ベッドの上で突かれながら感じる。
こんなの結局いつもと同じ。
私に好意を持ってくれている稲瀬君を利用して、快楽に逃げてるだけ。
ギシギシと軋むベッドの上で稲瀬君は悦と快楽に顔を歪めている。
儚げなその姿に今更すぎる罪悪感を感じる。
こんな私でも、稲瀬君はまだ好きだって言ってくれるのかな。
汗で濡れたぐしゃぐしゃの髪を撫でた。
ねっとりとまとわりつくような感触。
なんの償いにもならないけど稲瀬君の唇に優しくキスをしようとした時、
玄関から異常な音がした。
バンバンバン、、バンバンバンバンバン
物凄い勢いでドアが叩きつけられている。
突き上げられるような震動が伝わってくる。
稲瀬君もこれには最中なことも忘れて、慌てて飛び上がった。
「ど、泥棒ですか!?」
玄関のドアから入り込む淀んだどす黒い空気に、完全にパニック状態。
乱暴に服を羽織って、廊下に飛び出した。
ガチャ、、、ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ
瞬間ドアノブが取れんばかりの勢いで暴れだす。
キコキコと悲鳴を上げながら奇怪な動きをとるそれは、なんとも不気味だ。
「せ、先輩、俺が何とかしますから隠れてて下さい!」
ほうきを持ち出して強く握りしめる稲瀬君の額からは、だらだらと汗が吹き出し、目は焦点を捉えていない。
明らかに虚勢としか思えなかった。
脆いドアを一枚挟んだ先から漂う殺意に似たような狂気。
わかってる。そこに誰が立っているかなんてわかってる。
・・・
コートのポケットからわざと電源を付けたままのスマホを取り出した。
おそらくGPS機能でこの場所を特定したのだろう。
私は一体なにをやってるんだろう。
逃げたいのに。死ぬほど憎いのに、
なぜか澪汰の元へ帰りたいと思ってしまう。
本気で別の誰かを好きになれたら_どんなに楽だろうか。
本当に狂っているのは私の方なのかもしれない。
「稲瀬君、おじゃましました。今日は楽しかったよ。怖い思いさせてごめんね。」
「え、せん…ぱい?」
私の落ち着いた声色に、困惑の表情を浮かべる稲瀬君。
私はかまわずコートを羽織って鍵を開けた。
ガチャ
重々しい空気を纏っていたドアは、不思議なほどすんなりと開いた。
「れい…」
パアアアン!!!
突然頬に激痛が走った。視界が白くなり揺れる。
目の前に迫るものが床だということを理解するのに、そんなに時間はかからなかった。
意識が薄れていく。
稲瀬くんの言葉になれない声が聞こえる。
頬からの熱はやがて全体に伝わり、瞼が重くなってゆく。
「ごめ…………さい」
微かな声が消えるとともに、私は意識を手放した。


