ふと時計に目をやると、短針は2時を指していた。
「もうこんなに時間たったんだね。」
まっさらだった机の上はいつの間にかお菓子や惣菜パンの袋で埋まっていた。
「あっ、本当だ。すいません、そろそろ寝ないと仕事に影響でちゃいますよね。俺、布団で寝るんでベッド使って下さい。」
稲瀬君は慌ただしく立ち上がると、机の上に散らかったごみを乱暴にごみ袋に突っ込んだ。
お酒で脱力しきった私はボーッと一点を見つめていた。
私が此処に来た理由はなんだったっけ。
不意にそんな事が頭をよぎった。
私が此処に来たのは、澪汰から逃れるため。
稲瀬君に連れだして貰うため。
男の子にしては華奢な稲瀬君の背中に澪汰を重ねてみる。
何かを重たげに背負う澪汰のそれとは似ても似つかない、新しい世界への希望で満ち満ちた背中。
気づけば私は、その背中に腕を回していた。
「先輩…?」
ピタリと稲瀬君の手が止まった。
ガシャガシャというビニールの音が止んだとたん部屋に一瞬の静寂が訪れた。
「ベッドで一緒に寝ようか。」
そのままぎゅっと力を込めて抱き締める。
私達の世界で「一緒に寝る」ということが意味するものはただひとつ。
「稲瀬君…抱いて。」
「もうこんなに時間たったんだね。」
まっさらだった机の上はいつの間にかお菓子や惣菜パンの袋で埋まっていた。
「あっ、本当だ。すいません、そろそろ寝ないと仕事に影響でちゃいますよね。俺、布団で寝るんでベッド使って下さい。」
稲瀬君は慌ただしく立ち上がると、机の上に散らかったごみを乱暴にごみ袋に突っ込んだ。
お酒で脱力しきった私はボーッと一点を見つめていた。
私が此処に来た理由はなんだったっけ。
不意にそんな事が頭をよぎった。
私が此処に来たのは、澪汰から逃れるため。
稲瀬君に連れだして貰うため。
男の子にしては華奢な稲瀬君の背中に澪汰を重ねてみる。
何かを重たげに背負う澪汰のそれとは似ても似つかない、新しい世界への希望で満ち満ちた背中。
気づけば私は、その背中に腕を回していた。
「先輩…?」
ピタリと稲瀬君の手が止まった。
ガシャガシャというビニールの音が止んだとたん部屋に一瞬の静寂が訪れた。
「ベッドで一緒に寝ようか。」
そのままぎゅっと力を込めて抱き締める。
私達の世界で「一緒に寝る」ということが意味するものはただひとつ。
「稲瀬君…抱いて。」


