「……今日はもう、帰るね」

「峰……!」



ごめん、隆太郎。

私、素直に君の夢を応援出来ない。

彼女失格だね。



その日の夜、ベッドに寝転がった私の横でケータイが震えた。

ディスプレイには隆太郎の名前。



「……っ」



震える手でメールを開く。

そこには、

【今から家出れる?】

とだけ書かれていた。



「もしかして……」



慌てて階段を駆け下りる。

お母さんに、静かに降りなさい!って怒られたけど全然耳に入ってこなくて。

玄関の扉を開けたら、そこには君がいた。



「……よ」

「ば……今何時だと思ってんのよ!」