△△△△△△△△△△

「さっきのなんだったんだ?」

俺は気づいたらあの紐をあげて、
桜華に意地悪して、


はぁ。

「それにしても桜華、可愛かったな。」

桜華は可愛い。

長い黒髪に、くりっとした黒い瞳、
それにぷっくりした唇。

可愛い。

それしか言えない。

桜華のあの照れた顔は誰にも見せたくない。

あの怒った顔も全部。

誰にも見せたくない。
そう思った。

「もしかして一目惚れ?」

そうかもしれない。

桜華は笑わない。

そんな桜華を笑わせたいと思う。

それに桜華のことを考えるだけで胸がキューと痛くなる。

「はぁ。これは完璧に惚れたな。しかも重症とか...」

ありえない。

そうつぶやく俺だったのである。