私は急いで村へ戻った。
村へ来てみるともう地獄だった。
倒れてもう動くことのない一族の皆。
血まみれになっているたくさんの人間。
怖かった。
始めて人間が怖いと思った。
ふと父上と母上がいないことに気がついた。
「あ。ちちうえ...ははうえ...はどこ?」
私は人間に見つからないよう、家へと向かった。
家に入ると横たわっている狼。
「...ははうえ?」
母上だった。
手を口にやると...もう息をしていなかった。
「ははうえっ!ははうえっ!」
私は必死に呼びかけた。
けど起きることのない母上。
父「...くれな...い。」
家の奥から父上の声が聞こえる。
急いで父上の元へ行った。