そんなある日。 私は1人で森に行き、花を摘んでいた。 「たくさんつんで、ははうえにあげよう。」 私の大好きな真っ赤に染まった紅色の花。 名前は分からないけど私の名前に入っている色だから一目で好きになった。 夢中で花を摘んでいた。 あたりはもう茜色に染まっていた。 「はやくかえらないと、みんながしんぱいする。」 私は村へ帰ろうとした。 ふと匂いがした。 生臭い匂い。 それとかすかに聞こえる、叫び声。 全て村の方から。 私は生まれた時から嗅覚、聴覚、視覚、の三つが優れていた。