狼女と新撰組〜前編〜



ようやく池田屋に着いた。

着物が乱れていた。

着物をただして、山南さんが行く前に渡してくれた新撰組の浅葱色の羽織り

それを着物の上から着た。

気配を消しながら中に入ると血塗れだった。

血を流して倒れているもの

戦っているもの

全てがあの時みたいで怖かった。

その時

新「桜華!」

新八の声が聞こえた。

そこで我に返った

後ろから私にめがけて襲ってくる。

けど遅かった。

間に合わないっ!

目をつむった。

新「ぐっ。」

えっ?

新「ってて。大丈夫か...?」

「うん…って新八の手っ!!」

新「うん?あっ、怪我してるな。」

新八は私をかばって手に深い傷を負ってる。

血がたくさんでてる。

「ごめん…」

新「いいってっと、気がはェな。」

新八に切りつけた長州藩士は再び襲ってきた。

それをすかさず斬って行く新八。

新「わりぇけど二階の方頼むな。総司のやつ1人で戦ってんだ。」

「うん。分かった。私に任せて。」