驚いて言葉も出ないみんな。

私はすぐさま人間の姿に戻った。

「私は生まれつき火とか風とかそういうものを扱えたり、治癒能力が使えたりできた。それは父上と母上、2人の能力よ。あと2人にない人間とか操れる能力もあるの。」

みんな私の話に耳を傾ける。

「もともと私は江戸の小さな村で狼族みんなで、暮らしてたの。ある日私が5歳の時にあいつらが来たわ。私以外の一族が殺された。父上と母上も私の目の前で殺されたっ....あいつに!!」

私はガリガリと畳に爪を食い込ませた。

「っ。...まぁ。私はそのあとあいつらに連れられて暗い部屋の中で鎖繋がれていてたわ。ふふふそれがあの時の傷よ?あの時見たでしょ?私を拷問する時ふふふ。」

みんなは黙った。

なにその目。

同情?

そんなのいらない。

「そのあとなんとか抜け出した。気がついたら布団の中にいたわ。見たことのない人間の女がいた。それと男の子...兄上がいた。それから私は原田家に養子として育った。桜華は兄上がつけてくれた。」

左「ちょっと待ってくれ。」

「ああ。記憶ね。」

私は兄上の額と自分の額を合わせて

つぶやいた

「...元に戻りなさい。」

私がそう言うと光った。