心に悪夢を潜ませ


 「おじさんが魔法使い?」

 途端四人は顔を見合わせ笑い出した。

 「冴えない魔法使い、家族を救う」

 「恐怖、吹き飛ぶ本棚と娘」

 「さよなら妻よ、また会う日まで!ギャハハ」

 各自好き勝手に今の惨劇にタイトルをつけて笑った。

 ダンおじさんは二人に駆け寄ることはせず、右手の人差し指を戦士達に向けたまま言った。

 「いいか、十秒だ。十秒待ってやる。それまでに出て行け!」

 「出て行かないと言ったら?」