涎が出るほど抱き締めて



思ったより冷静だな、朽木さん。

さすが屍食鬼。


そんなことを思いながら、必死に告げた。



「死、亡…届、けだしたら、食べ…て」


「晴ちゃ、」

「私の、か、らだ…は、」


――あなたのものですから。




「ちっ」と舌打ちをした彼は、シミターを抜き取ると。



「う゛ぁあ、」


胸にぐさりと刺した。


早く楽にしてやりたかったの?


よくわからないけど。



「食べ、て」


食べてくれるよね?


シミターで死んだんだもん、美味しいよね?


「あ…が、と…」


ありがとうともいえなくて、歯がゆかった。



刹那。




刺した腹と刺された胸部が、猛烈に熱くなった。




燃えるように、熱い。


「んっぅ…!?」


熱さに悶えながら患部を見ると、光っていた。


真っ白になぜか。



「なんだ…これ」

「ちっ、死んでんじゃねーよ」


男たちの声が意識に入ってきた。


今の今まで全くそれどころじゃなかったのに。