涎が出るほど抱き締めて




「朽木さん、逃げてください」


「は?」


もうたくさん。

私のせいで、崩れていく人を見るのは。


私が相手をすればいい。


…一生。



「…ねぇ」


男たちに呼び掛ける。


色んな組やらなんやらが入り交じった状態だからか、さほど朽木さんは気にしてない様子だ。



「私の生命保険って、いくらですかね?」



「はあ?あと、確か…」


ナントカ返せる額だ。


生命保険か風俗か。

そう言われて風俗をとったけど、こんなに辛いなら。


ならば、もういいや。




手にあったシミターを、腹に突き刺した。







唇を噛みながらやったら、痛みと衝撃できれてしまった。

すごい、切れ味めちゃくちゃいい。

どの部位を切ったのかわからないけど、何かが競り上がってきた。


「かふっ…ぐ、あ…」


血。

血を咳き込んだから、血のあじが口内に広がる。


手も、何もかもが血に染まる。


痛みというか衝撃というか。


体がそれで固まったように動かなくなる。


空気を求めて喘ぐも、体がぴくぴくとして動かない。




「くち…き、さ…」


「晴ちゃん」