涎が出るほど抱き締めて


「ナゴーブは、実在するのかどうかもわかんねーの」


「え…」

「だってさあ、俺ら底辺には雲の上だよ?わかんないわかんない」

△な制度を築きあげているらしい。

「…へー…」

「ちなみに、晴ちゃんに渡した屍食鬼のナイフは、ナゴーブが支給してくれるものでーす」


蔦みたいな装飾が施された、彼がシミターと呼んでいた小刀。

刃が曲がっていて、なぜか丸みをおびた『し』の字の形をしていた。


「シミター(曲刀)は特殊なんだ。

シミターで死んだ人間は甘味をおびて美味しくなる。

首吊りはね、まずいの。
死んだと同時に全身の筋肉が緩むから、重力に従って糞尿垂れ流し。
味も落ちるし最悪なんだ」


「うぇ…」

気持ち悪い話をするな化け物。


ああでも、そっか、そのためか。


私を食べたくて自殺を止めて(?)くれたのか


缶コーヒーも(はいちゃったけど)、背中をさすってくれたのも(レイプ?って聞かれたけど)


食べたいから来る優しさなんだ。


言うなれば、丁寧に野菜の皮を切ってる状態というか。