涎が出るほど抱き締めて


「今、あいつらは仲間を呼んでるらしいです。丁度いい女がいるぞって」


…一生風呂に沈められた(オミズの意)生活を送るのならば、死んでしまおう。

そう思った訳である。


「うわー、聞くに耐えなーい」

耳を塞いでいやいやをする彼。

それでも聞いてくれたのが嬉しかった。

「友達とかに言わなかったの?」

「友達とは縁を切りました。向こうに嫌がらせが行ってたみたいで、私のせいで病んでく友達を見るの、辛くて」


大丈夫だよ、

気にしないで。


そう言いながら、ひっきりなしになる電話。

彼氏の浮気の写真を送りつけられた子もいた。


私のせい、というのが辛くて。


だから、距離を置いた。


「…」

黙ってしまった朽木さん(年上らしいから、一応さん付け)との沈黙を破るため、さっきのカードを手に取る。

「…朽木さん」

「何ー?」


「ナゴーブってなんですか」


会員証なのはわかっても、用途がわからない。