私はその場に崩れ落ちた。 グイッ… ふわっと、慣れない香りが私を包み、 気づくと、私は倉田くんの腕の中にいた。 「…泣くなよ。」 「翔くっ、ふぇっ…」 「俺、倉田。」 知ってるよ。 翔くんに会いたい。 ごめんなさいって言わなきゃ。 そう思うけど、あんな怒ってる翔くんは初めてで。 お前なんて言われたのも初めてで。 喧嘩なんて、初めてだ。 あんな怖い翔くんも初めて。 「…送るよ。」 「ふっ、うぐっ…」 私は倉田くんに手を取られて歩き出す。