月光の下






彼は「あっそ」とだけ言って。




「さっさと中に入れ。家族に見つかったら面倒だろ?」


そう言い残してスタスタと歩き出した。





小さくなっていく後ろ姿をしばらく見つめた。



もっとお話したかった。


もっと一緒にいたかった。





もっと……彼を、知りたい……。




「一宮さん……」



何故だか胸が、ギュッと苦しくなった。