「おい、さっさと離れるぞ」


「あ、はい……」




彼が歩き出して、私は咄嗟に彼の隣を歩いた。






「あの死体……放置なんですか?」


「あぁ。別に証拠は残してないし、誰が殺したかなんてバレねーよ」




彼の衣服には返り血が付着してない。
上手い具合に避けたんだろう。







「お前は、好きなのか?夜の散歩……」


「はい。少し。自由になれた気がして」



夜中にコッソリ抜け出す事で、息苦しい日常から逃げ出したような、家族に反抗したような気分になれる。


ただの気休めに過ぎないが。