「怖いか?」



一宮さんにそう聞かれ、自然と首を横に振った。



怖くない。
何も感じない。





「私は……冷たい女だから」



何とも思わなかった。
この人が私の前で刺されても。



同情とか、一切感じない。




「こいつ、どうしようもない奴なんだよ。夜道を1人で歩いてる女を襲って犯してんだから」


「……」



どうしようもない男……。
私は軽く屍となった男を蹴った。





「この人……死んで当然だったの?」


「そういう事だ。世の中には死んで当然の奴だっている」