月光の下





そしたら後ろの足音も歩く音から、走る音に変わった。


どんどん近づいてくる。




私に迫ってくる……。





「っ……!!」



後ろから急に片手で口を塞がれた。

もう片方の手はお腹にしっかり回されて、捕まった。






「大人しくしろよ。お嬢ちゃん」


「っ……」




聞き覚えのない男の声。
ゾクッと鳥肌が立って、ブルブルと震え始めた。



あぁ……思い出した。
最近この辺、変質者が出るって。


じゃあ、この男が……。





「こんな時間に出歩くなんて……よっぽど遊びたいのかなぁ」



男の生暖かい吐息が耳にぶつかった。


気持ち悪い。