月光の下






夜道をフラフラ徘徊した。
家に戻る気にはなれなかった。


伯父に襲われそうになったと、言っても誰も真面目に聞いてくれない。




私の話は誰にも聞いてもらえない。






「一宮さん……」



静かな夜道で、彼の名前を呟いた。





一宮さんは今頃、お仕事の真っ最中だろうか?


もしそうなら、会える?




またあの日みたいに、会えるかな?


馬鹿みたいな期待を抱きながら歩いた。