月光の下





困ってる。
泣いちゃダメ。
早く涙を引っ込めないと。



でも無理。


今はグチャグチャの感情をコントロールする事ができないの。





苦しくて苦しくて。


壊れて、バラバラになりそう。







「……おい」



すぐそばで彼の声がした。


と、思ったらいきなり手首を掴まれた。





手を引かれ、連れて行かれたのはこないだのロッカールーム。



隅に置いてある椅子に座らされ、彼はどこかへ行ってしまった。





「……馬鹿だな」



思いっきり彼を困らせてる。