月光の下






「ねぇタバコ買ってきてよ。今すぐ」


壁にもたれかかりながら、母はダルそうに言った。



そんな物、未成年の私には買えないよ?





「……私、未成年だから」


「20歳ですって言い張ればいいじゃん。20歳って貫き通せよ」



そんな無茶言わないでよ。


ダルそうに、無茶苦茶な事を言う母に苛立ちを感じた。

それでも怒りを必死に堪えた。





「さっさと行ってくれば?10分以内にね。あ、無理か。あんたって亀みたいにトロイもんね」



気にしてる事をズバズバ言われ、心がメリっと音を立てた。