月光の下





いっその事、
この人に殺されてしまった方がいいかも。


そんな馬鹿な考えが脳裏を過った。





「つーか帰れ」


「え……」


「買い物は終わったんだろ?俺の話も終わった。だからもう帰れ」




冷たく、
突き放すように言われた。



ふと、
彼の左手首が赤く腫れてるのが目に入った。





「……あの」


「何だよ」


「そこ……赤くなってますけど……」


「あぁ……。火傷だよ。鉄板がここに当たった」


「そう、ですか……」