「……まだガキだな」 「……」 「……失せろ」 静寂の夜に響き渡るその声が、程よく鼓膜を震わす。 私を逃がすの? 私、ヤバイ現場を見たんでしょ? 「殺さなくていいの……?私を、殺すっていう役目は…いいの?」 ニヤリ、と。 少し口角を上げた。 そしたら彼は少し驚いた顔をした。 「変なガキ……」 暗くてよく見えないが、月明かりに照らされて見えた口元は微かに笑ってる気がした。