月光の下





「あ、なた…は……犯罪者…?」



馬鹿ね、私。
さっさと逃げないと。



じゃなきゃ自分が殺されるかもしれないのに。





もしかして、怖くないの?


死ぬのがもう怖くないって事なの?






だって、おかしいよね?



血で衣服が赤く染まってるのに、それを少し綺麗だと思ってしまったんだもの。






私、変わり者だ。
普通じゃないんだろうね。






「……関係ない」





やっと発された彼の声は、ガラス細工のように繊細で綺麗だった。