顔を上げると、駐車場の隅にいた人物がこちらに向かって歩いて来ていた。 嘘……。 どうしよう。 そう思ってるうちに、その人はあっという間に私の前に。 駐車場にいたのは、やはり男の人。 しかも若い。 暗くて顔はよく見えないが。 月明かりに照らされて見えた顔は、端整。 整った顔立ち。 通った鼻筋。 綺麗な目元。 尚且つ、鋭い眼差し。 まるで射抜くよう。 「…っ」 不覚にも見惚れた。