「全く……。本当にあの子は可愛くないねぇ……」 「本来なら母親が面倒みるべきだろ……」 「でもあの子、毎日毎日よその男とほっつき歩いてるんだよ」 朝起きて、1階から聞こえてくる会話。 祖父と祖母の暗い嫌な会話。 ふすまの前で入るタイミングを見失い、立ち尽くすしかなかった。 朝、この瞬間も大嫌い。 それでも意を決してふすまを開けた。