「死んで後悔とか、ないですか?」 「あるわけないだろ……。絶対にない」 強く言い切る彼の口調には、少しも未練を感じられなかった。 「じゃあ死にましょうか。一緒に……」 私は咄嗟に彼の手を握った。 大胆な事したな、と。 やった後に恥ずかしくなった。 慌てて手を離そうとしたが、彼はギュッと握り締めていて無理だった。 「自分から握っておいて、何で離そうとするわけ?」 「だ、だって……」 「何……?」 「は、恥ずかしいから……」 彼はフッと笑って「そっ」と言った。