手を繋いだまま、人気が全くない海岸を歩いた。
時期的に今の海は人が誰もいない。
「誰もいないですね……」
「あぁ」
「2人きり、ですね……」
「……」
このまま時間が止まっちゃえばいいのになぁ。
「わっ……!?」
いきなり砂に足を取られて、バランスを崩して転倒しそうになった。
「おっと……」
「……!!」
間一髪で、一宮さんが片手で私の体を支えてくれたので転倒を免れた。
「あ、ありがとうございます……」
「……」
「キャっ……!!」
何故か、いきなり彼の方へグイっと引き寄せられ、抱きしめられた。