月光の下





彼は笑った。
フッと笑って……。




「何であんたが泣くわけ?泣くな」


と言って、私の涙を拭った。




無意識のうちに自分の頬には涙が伝っていた。






「死刑なんて、そんな最悪の形でお別れなんて……嫌です……」



出会いがあれば、必ず別れが付いてくる。


だけど別れにも様々な形がある。




死刑というのは、実に悲しいお別れだと思う。






「奈柚」



名前を呼ばれて彼を見ると、彼は真っ直ぐに私を見ていた。


そして静かな口調でこう言った。





「今から海に行くか」