彼は笑った。 フッと笑って……。 「何であんたが泣くわけ?泣くな」 と言って、私の涙を拭った。 無意識のうちに自分の頬には涙が伝っていた。 「死刑なんて、そんな最悪の形でお別れなんて……嫌です……」 出会いがあれば、必ず別れが付いてくる。 だけど別れにも様々な形がある。 死刑というのは、実に悲しいお別れだと思う。 「奈柚」 名前を呼ばれて彼を見ると、彼は真っ直ぐに私を見ていた。 そして静かな口調でこう言った。 「今から海に行くか」