しばらく走ったら、知らない場所にいた。 見覚えのない風景。 必死になって走り過ぎた。 サイレンの音はもう聞こえない。 とりあえず警察から逃げられたみたい。 「必死になり過ぎ……」 「え……あ、すみません」 慌てて彼の手を離した。 走ったせいか、手には汗が滲んでいた。 「一宮さん……どうして、そんな余裕なんですか?」 警察が近くにいたというのに、今の彼はすごく余裕あり気な表情をしてた。