月光の下






しばらく走ったら、知らない場所にいた。


見覚えのない風景。
必死になって走り過ぎた。



サイレンの音はもう聞こえない。



とりあえず警察から逃げられたみたい。





「必死になり過ぎ……」


「え……あ、すみません」



慌てて彼の手を離した。
走ったせいか、手には汗が滲んでいた。





「一宮さん……どうして、そんな余裕なんですか?」



警察が近くにいたというのに、今の彼はすごく余裕あり気な表情をしてた。