「一宮さん……」 最悪な人生。 生まれなきゃよかったって、思う事は多々あった。 今すぐ死んでいいって思ってた。 何も楽しい事なんかない。 早く命が枯れてしまえばいいっていつも思ってた。 だけど……よかった。 一宮さんに出会えてよかった。 彼に会えた事が、きっと私の人生の中での唯一の幸せ。 「奈柚……」 彼が私の名前を読んだ時だった。 遠くの方から、微かにサイレンの音が聞こえてきた。