月光の下







「本気で死にたいわけ?未練とか、ないのか?」



……未練。
やり残した事は特には……。





あぁ、でもある。
未練が。
ううん、後悔。



大きな、後悔。






「死んだら……もう、そばには……いられない……」



恥ずかしくて、
最後の方はボソボソ声になった。



それでも私の声は、彼の耳にしっかり届いたようで。





「随分と、馬鹿な未練だな」



頭を彼に撫でられた。
ついさっき、殺人を犯した人の手なのに。



ちっとも怖いとか感じなかった。