月光の下







「お前は……」


「はい」


「俺が……本当に、あんたを殺すと思ってんの?」


「はい。一宮さんなら、一瞬で逝かせてくれますよね」


「馬鹿だな……。あんたを殺したら、もう見れなくなるじゃねぇか……」




抱きしめる力が強くなる。



あぁ。
このまま、体が潰されてもいい。






「あんたの笑顔、もう見れなくなるじゃん……」


「それくらい」


「嫌、なんだよ。見れなくなるのは……。あんたの、綺麗な笑顔」



私の笑顔が、綺麗?


意外とお世辞が上手いんですね。










「結論から言うと……殺せない。俺には、あんたを殺す事はできない」