彼の腕の中は居心地良く感じた。 「……馬鹿」 発された彼の声、明らかに震えていた。 一宮さんでも、こんな声出すんですね。 「早く、殺して。私を一瞬で殺してください」 「お前……馬鹿」 「馬鹿な事くらい、知ってます」 ゆっくり彼の背中に腕を回した。 あれ……。 私、少し震えてる? 何故? 死ぬのが怖いの? 死ぬ事くらい、怖くないはずでしょ? なのにどうしてこんなに震えてるの……?