月光の下






彼の腕の中は居心地良く感じた。





「……馬鹿」



発された彼の声、明らかに震えていた。




一宮さんでも、こんな声出すんですね。








「早く、殺して。私を一瞬で殺してください」


「お前……馬鹿」


「馬鹿な事くらい、知ってます」




ゆっくり彼の背中に腕を回した。



あれ……。
私、少し震えてる?
何故?
死ぬのが怖いの?



死ぬ事くらい、怖くないはずでしょ?


なのにどうしてこんなに震えてるの……?