月光の下







「一宮さん、お疲れのところ申し訳ないですけど、まだお仕事が残ってます」



まだ彼には、殺さないといけない人がいる。







「報酬を……渡します」


「……」


「私の、命。それが報酬です。私を殺してください……」



私はただ、笑った。
彼に笑って見せた。


そしたら彼は顔を歪めた。



カラン、と。
包丁が床に落ちた。



そして彼は、私を力いっぱい抱きしめた。