月光の下







「今にも死にそうですけど、まだ死なないんですか?」


「あぁ、これくらいじゃ死なない。人間は意外と丈夫だし、急所はわざと外したから」



……すごい。
彼に少しゾクゾクした。





「奈柚を傷つけた罰だな……」



今度は、腕を切りつけた。


その次は足。


次は顔。




あらゆる場所を彼は、少しずつ切りつけていった。



近くで見ていて、
軽い吐き気が襲ってきた。




しかし、胸のどこかがスッキリしたような気もした。