月光の下






「ご、ごめんなさい……」


「何で謝るわけ?機になったから質問しただけだろ」



彼は、笑った。
無神経に足を踏み入れた私に。






「家族は……もういない。俺が、殺したから」



聞かない方がよかったかもしれない。


そう思うくらい、
体中を強い衝撃が走った。






「どう、して……?自分の手で家族を……」



彼に家族を殺してと依頼した私も私だが。






「俺があいつらを殺したのは……12の時。どうやって殺したかは、あまり覚えてない。気がついたら血まみれの包丁を握ってて、俺もあいつらも血まみれだった」