月光の下






「い、一宮さん……?」



顔が見えないから、彼がどんな表情をしてるかは不明。



ただ伝わってくるのは
ドクドクという音だけ。




これは、鼓動の音?
彼の鼓動?






「あんたが今にも……喚きそうだったから。言っとくけどこんなの、俺のガラじゃねーから」



言い方はぶっきらぼうだけど。


彼の温もりは、よく伝わってきた。






「一宮さん……」



図々しいと思いながらも、彼の背中に腕を回した。