月光の下








目を覚ましたら、天井が目に入った。


何故か布団の上にいて、体を起こすと見慣れない風景だった。




家具がほとんどない、殺風景な空間。


そんな空間に私1人。






「気がついた?」



声がした方を見ると、部屋のドアの入り口には一宮さんが立っていた。


手には水の入ったコップ。






「ほら。水」


「……どうも。あの、ここ」


「ここ、俺の家。あんたが急に倒れたから。店長が介抱してやれって言うから」


「そう、ですか……」





ここ、一宮さんの家なんだ。
でも今は驚いたり、ドキドキする余裕もない。



水を飲んで落ち込んだら、まだ涙がボロボロ流れてきた。