月光の下







「……あんた」


「……」



中に入ると一宮さんはパンを棚に並べていた。






「まだ開店前、なんだけど……」


「っ……ごめん、なさっ……」




あぁ。
嗚咽のせいで上手くしゃべれない。



苦しい。





「一宮さんっ……」


「奈柚っ……!!」



フラフラと、私は一宮さんの胸へ倒れるように飛び込んだ。






「……けて」



もう、苦しい。
何もかも嫌だ。





「助けて……一宮さん……」



もう、限界。
絞り出すように呟いて、私はそこで意識を手放した。