「嫌っ……!!」 「うっ……!?」 勢いよく中年男の股間を蹴った。 見事に命中し、 中年男はその場にうずくまった。 火事場の馬鹿力とは、まさにこの事だ。 私は必死に走って逃げた。 振り向かず、ひたすら走った。 家に着いた頃には、もうすっかり暗くなっていた。 かなり遅くなってしまった。 「ただいま……」 家に入ると、玄関には怖い顔をした祖母。