「やっぱ、あんたはろくな子じゃないわね……」 ……え。 ボソッと漏らした母親の言葉を、 聞き逃さなかった。しっかり聞いた。 「なぁ、この子知り合い?」 隣の男の人が怪訝そうな顔で私を見た。 「全然知らないガキよ。ほら、早く行きましょう」 平然とそう言って、母親は男の人と腕を組んで行ってしまった。 どうして? 助けてくれてもいいのに……。 結局みんな、私の事なんかいらないって事? 必要ないの? 「さっ、行くよ。お嬢ちゃん」 グイっと腕が引っ張られる。