桜の花びらは美しく、儚く、散っていく。

「蓮斗のことは嫌いじゃない。

むしろ、仲良くなりたいくらい。

…でもね、この気持ちが怖いんだ。」


そう、私は人を好きになるのが怖い。


「……私ね、お母さんが居ないの。

私の、せいで、お母さんは……。」


やっぱり、まだお母さんのことを思い出には出来ない。

涙を飲み込んで、私は話し続ける。


「お母さんのこと大好きだったから、

お母さんが居ないなんて受け入れられなくて……。」


玄関の扉開けて、“ただいま”
って帰って来るんじゃないかって。

今でもそう思ってるんだ。


「……だから、お母さんみたいに居なくなるんじゃないかって。

好きになったら、居なくなるのが怖いから………。」


好きな人が居なくなったら辛いでしょ…?

だから、私は誰も好きになれない。

友達は居るけど、特別仲良しな子は居ない。

……きっと、私はまた傷つくから。


「それに、私はこんな温かい場所に居る権利はないんだ。

……お母さんを“行ってらっしゃい”って見送ったのは私だから。

私は……ここには居られない。」