桜の花びらは美しく、儚く、散っていく。

ギュッ

後ろから力強く抱きしめられた。

抵抗したくても、涙が溢れて止まらない。


心地よい腕の強さ。

安心する甘い香り。

「………泣くな。俺がそばに居る。」

身体に染み込むような声。


「朔、夜……?」

「……あぁ。」

なんで?

なんで居るの?

……私を探してくれたの?

聞きたいことは山ほどあるのに、溢れる涙は止まることを知らない。

寂しくて、悲しい気持ちと、朔夜に抱きしめられている安心感。

その両方が、同時に私を襲ってきて……。


私は朔夜の腕の中で、意識を手放した。