桜の花びらは美しく、儚く、散っていく。

「はぁ……。」

疲れた……。

息切れがやばい。

とっさに身を隠すために入った音楽準備室。

「……ふぅ…。」

息を整えながら周りを見ると、様々な楽器が目に入る。

あまり使われることがない木琴やハンドベル。

使い古された感じがある楽譜。

……………そして、ピアノ。


お母さんがこの世から居なくなってから、私は1度も弾いていない。

お母さんの影響で3歳から始めたピアノ。

ピアノもお母さんも大好きだったけど、ピアノを弾くと思い出してしまうから。


………本当はまだ信じたくない。

お母さんが死んだなんて。


「…………お母さ、ん…っ…。」

ピアノの前で、泣き崩れる。

会いたい、会いたいけど……

もう会うことは出来ない。



…………私のせいで。