次の日、

ざわざわ……

いつもより騒がしい教室。

私が教室に入ると、一気に注目された。

……………へ?

「咲良ー!!あんた朔夜くんと知り合いだったの!?」

いつも絡んでる子達が私を取り囲む。

……そういえば、逢瀬朔夜って有名人なんだっけ?

「……いや、違う。」

めんどくさいからしらばっくれる。

姫になれ、って言われました。なんて言ったら大変な騒ぎになりそうだし。

「朔夜くんがわざわざ迎えに来たのに、知り合いじゃないわけないでしょ!!」

隠しても無駄、とばかりに言ってくる。

声でかい……。

でも、朔夜との関係なんて、私ですら分かってないのになんて説明すれば良いの……?

私が姫に選ばれた理由も分かんないし……。

「……気まぐれ、かな。」

「は??」

「いや、なんでもない。…とりあえず私は知り合いじゃないよ。」

きっぱり言い切ると、納得いかないような顔をしながらも引き下がった。

とりあえず一安心。

……それにしても、逢瀬朔夜恐るべし。



もう、会うことはないだろうけど。